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文庫本 「香水 ある人殺しの物語」 [BOOK]

2週間前に、読み終えました。
現在、公開中の映画
「パヒューム ある人殺しの物語」の原作です。


香水―ある人殺しの物語

香水―ある人殺しの物語

  • 作者: パトリック ジュースキント, パトリック・ジュースキント
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1988/12
  • メディア: 単行本

香水―ある人殺しの物語

 

この本を読む前に、ちょいと悩みましたね。
映画が先か、原作が先か・・・と。(^^;


オバちゃん、基本的には、「原作が先」派ですが
この時、ネットでは在庫切れ。(T T)
ボケボケと入荷を待ってたら、映画公開も終了しちまう~。
(田舎は、よほど好評でない限り、さっさと終了します)
さて、どーしましょ?


まぁ、でもね。
このよーな場合でも心配ご無用。
田舎なら、どっかに1冊ぐらいは残ってるもんです。
こういう時、御用達の本屋に行ったらば
予想通り、ありましたよっ!!
きっちり1冊だけ。(笑)
以前にも「ブラック・ダリアの真実」を
それこそ、必死こいてあちこち探し回ってたら
そこにだけ、1冊ありましたからね!!
さすが、田舎!ビバ、田舎っ!!(笑)


で、感想ですが
非常にテンポのよい小説でした。
たたみかけるよーな短い文章で、簡潔に表現していく様は
とても小気味良く、一気に読みきれます。
ネタバレ承知で、簡単にストーリーを説明しますね。





舞台は、18世紀のフランス。
強烈な悪臭にみちたパリの片隅で
この世に生をうけた主人公・グルヌイユ。
彼は、数キロ先の匂いまで嗅ぎ分けるほどの
天性の鋭い嗅覚をもつ反面
自身の体臭は全くない(無臭)という特異な体質の持ち主です。
それゆえ、不遇な人生を送るなか
ある日であった神聖なる「芳香」。
えもいえぬ、「処女の香り」。
少女を殺し、その香りを存分に堪能するグルヌイユ。
この日、初めて彼は、自分の人生に意味と目的と使命を見出します。
自分こそ、匂いの創造主たるべき人間だと。
この偉大な「処女の香り」を抽出し、手中に収め、留める。
その手段として、香水の調合を学び始めるのですが・・・
・・・テンテンテン。





と、まぁ・・・かなり奇想天外な内容です。
話の展開に、目が離せませんよ。


異常なまでの欲望で、ただひたすら突き進む主人公のおぞましさ。
さらに、作品中に立ち込めるむせっ返るような
あらゆる「匂い(臭い)」の描写のすさまじさ。
正直、こういうのは・・・
ちょっと初めてですねぇ。(笑)
まぁ、大ベストセラーというのも納得です。
映画化に関し、スピルバーグやスコセッシが奪い合った!
・・・というのも納得。


んが、しかーし!!
この作品は、かなり好みが
「はっきり分かれる」
そう思いますね。
はい、オバちゃんは
文句なく「嫌い」です。(笑)


いえ、作品としての評価は高いん
ですよ、えぇ。
↑にも書きましたが、映画化のオファーが
わんさかあったのは、十分、理解できます。


ただねぇ。
どうも、好きになれんのです。
主人公はもちろんですけど
その他に登場する、彼が関わる人物全て
誰一人として、好感を持てる人間がいません。


皆、特別、極悪人だとか
そーいうんじゃないんですけど。
むしろ、どっちかというと、どこにでもいる人々。
小ざかしいですけどね。(笑)
でも、そーいうところがリアルなんですよ。
やたら人間臭さプンプンなんですよね、全員が。
それが・・・主人公の不気味さやおぞましさと絡まって
陰鬱というか、何とゆーか・・・
それこそ、腐敗臭がしそーなんです。(笑)
しかも、例外なく、その後(主人公と出合った後)
不幸になってます。
全く救いがないんですけどー。(笑)


さらに、騒がれてたあの「ラスト」。
「衝撃のラスト(しかも二段オチ)」っていうのは
ほーほー、あーいうコトですか?
確かに、衝撃でしたけどね。
・・・え?、えっ?・・・・・・・・・・えぇぇーーーっ!!
って感じでした。(何のこっちゃ?)
個人的には、ちょっと、気分悪かったですよー。
苦手だ。


オバちゃん、サスペンスは好きですが
こんな、なんとも言えず、どんよりしてて
かつ、臭ってきそーなのは嫌いです。


映画、観に行くのはやめました。(笑)

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コメント 5

おその@B型

タイトルも、最初の内容も良さげやったけど、
その究極の香水を作るのが、グロいというか、変態?
私、気持ち悪い系は絶対あかん∑( ̄□ ̄|||)
気持ち悪さが、ずーーーと続くんや~
だから、絶対目にしないようにしてる。
by おその@B型 (2007-03-29 20:59) 

かめぞう

この映画上映してますよね~。 
同じく、たぶん見ませんね。  友達が見た感想が 「キモい!」 の一言!
その子もラストシーンに  
       ええーーーーーー!?
て吠えたらしい。
キモいのはダメ(><)  気分が病んでしまいます。
物語の結末は、スパーーーッ!と気持ちよく、納得できるようにお願いしたいものです。
by かめぞう (2007-03-30 00:38) 

ねこきち

グルヌイユって、おフランス語ではカエルのことですが、カエル自体は体臭がないのかな?
と、ヨコなことを考えてしまうねこきち。
今ですね、伊東ウェルネスの森というところが「パフューム公開記念宿泊プラン」ってやってて、
内容は「伊豆一碧湖香りの美術館併設香り工房にて、オリジナル香水作りを体験できます。
映画公開を記念して登場した新レシピも体験可能です。」
なんていうさわやかそうなものなのですが、いかがでしょうか。
どんな香りのレシピなのやら。
by ねこきち (2007-03-30 12:47) 

ビルさち

やっと、自分の時間を持つ余裕ができました^^v
この忙しい3月末、お義父さんが入院、旦那と二人でなんとかのり切りました。
読書する時間もできたので、なんか読みたいなぁと思ってるんだけど。。。
この本は止めておこう!! 誰か貸してくれたら読むことにします。
私も同じく映画を見る前に原作を読む派です。
っと言っても映画にはあまり関心がないので、本屋さんで買い悩んだ時に『映画化』って見出しがあると面白いのかなぁって思って買ってます。
by ビルさち (2007-03-31 12:50) 

ももじ

★おそのちゃん★
「処女の香水」作りって点では、そんなにグロくない。
まぁ、発想はいっちゃってるけど・・・。(笑)
しいて言えば、ラストがグロ系。

でも・・・私が感じる、この作品の気持ち悪さは、そーいうコトじゃなくって・・・
う~ん・・・おバカな私では、うまく伝えられないわ。(笑)
とにかく作品全体に立ち込める、人間(獣?)臭さと、腐敗してるイメージがキモい。
欲望の生臭さ???というのかしら?(^^;

なんなら、貸そーか?読めば、わかるかも?(笑)

★かめぞうさん★
ご友人、映画を観られたのですね?
それでもって、感想が「キモい!!」の一言とは・・・納得です!!
キモいのは、あのシーンかしら?それとも・・?と想像してしまいますが
私は、もはや観たくはないです。(^^;
映画では、どこまで再現されてるのか、興味はあるのですが・・・。

>物語の結末は、スパーーーッ!と気持ちよく、納得できるようにお願いしたいものです

まさに、そうっ!!
最後はスッキリ!!これが希望ですよね。
そして、救いも、どこかには残しておいて欲しいです。
あれでいーのか?・・・ってラストでしたよ。

★ねこきちさん★
そーいや「グルヌイユ」って「カエル」のことだとか・・・。
するってーと・・・例えば、これが日本人だとすると
「鈴木カエル」さんだったりするわけですかね?(笑)
カエルの体臭は、不明です。
あまりなさそうですが・・・でも、池っぽい臭いとかもしそー・・・。(^^;

映画公開を記念しての、新レシピの香水?
むーん・・・キャッチ通り「世界がひれ伏すかほり」・・・なのでしょーか?(笑)
でも、映画通りだと、嗅いだあと、あーなってこーなって・・・
・・・・・・・やっぱ、やめときます。(笑)

★ビルさちさん★
ブログみて、何かあったのかな?と思ってたんですよ。
お義父さん、大丈夫なんですか?
でも、時間ができたって事は、退院されたのかな?
大変でしたね。お疲れ様。<(_ _)>

この本、個人的にはお薦めしにくいです。
どんよりした人間臭さや理不尽さ(?)に耐性のある方は、大丈夫かと。
読後、スッキリしたい方、もしくは軽めがお好きな方なら
やめた方がいいかもしれません。(^^;
by ももじ (2007-03-31 15:26) 

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